保育園看護師の仕事内容は?


1990年に一般社団法人全国保育園保健師看護師連絡会が発足されて以降、保育園で働く看護師の数は徐々に増加傾向にあります。

この数年は、厚生労働省が私立保育園へ看護師の配置を促進するよう働きかけていることもあり、保育園ナースの求人は右肩上がり、2010年には2万3000ヶ所以上の認可保育園のうち、看護師が在籍する施設は約30%を占めているとされています。

とはいえ、まだまだ保育園ナースの存在が広く認知されているとは言い難く、実際にどのような業務に就き、どういった立ち位置で仕事をしているのかという点については、あまり知られていないというのが実情です。

そこで、このページでは保育園看護師の実態についてご紹介していきたいと思います。

保育園看護師の仕事内容

保育園看護師は、園内においては健康管理責任者という役割を担っています。しかしながら、その仕事は看護業務だけには留まらず、保育士の補助などにも及ぶのが実情です。

業務内容については、勤務先によって細かな違いや差がありますが、一般的には以下のようなものとなっています。

1.園児(主に0歳児)の健康管理。検温・視診・服薬介助など
2.園児の病気やケガに対する応急処置、医療機関との連携、病院搬送の判断
3.病後児保育の対応
4.保育士と共に園児の世話や遊び相手
5.保護者のメンタルケアやアドバイス
6.保護者への衛生指導、疾病予防指導、ほけん便りなどの配布など

保育園内では、採血や点滴などの手技・医療行為を行うことはありませんが、園児や保護者に対し、近い距離感で看護が可能であるため、やりがいを感じるという方が多い傾向にあります。

また、病院勤務ではなかなか機会がない「看護・医療に関する指導」を行えるという点に魅力があるという方もいらっしゃいます。

また、保育園では風邪やインフルエンザなどの感染病が流行するケースが多いため、感染病予防や衛生管理などを計画し、園内のスタッフや保護者へ伝えるという役割もあります。

但し、この点に関しては看護師に非協力的な保育園や保育士がいることも事実で、業務として行うことができない場合もあるため注意が必要です。

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保育園ナースの魅力ややりがい

保育園ナースの魅力として挙げられるものには、主に次の二つがあります。

1.施設唯一の医療従事者であること

保育園に配置される看護師は、基本的に1施設につき1人です。そのため、有事に際には全て自分の責任と裁量で、医療従事者の立場から1人で対応することになります。

病院看護師のように「誰かの支持にしたがって業務を行う」という働き方とは大きく異なるため、仕事にやりがいを感じるという方も多いようです。また、園児や保護者、保育士にとって医療面で「頼みの綱」となれる点に魅力を感じるという意見も多数あります。

2.保護者とコミュニケーションを取りながら子供の成長を手助けできる

看護師といえども、保育園に勤める以上は保育業務もこなす必要があります。看護業務や保健衛生だけを行っているという保育園ナースはほとんどいないというのが実情です。

そのため、看護師は園児はもちろんのこと保護者と接触する機会が多く、場合によっては保護者のメンタルケアを行ったり、健康相談を受け付けたりといった仕事を任される場合もあります。

親子共に密接な距離感で接することになるため、子供の成長を間近に見守りながら、親御さんともコミュニケーションを築けるという点に惹かれ、保育園ナースを長く続ける看護師さんも多いようです。

<関連記事>:保育園ナースの悩み、親御さんとの関係

保育園ナースの仕事~一日の流れ~

保育園ナースの仕事は、看護業務と保育業務(の補助)を併せ持つのが一般的です。そんな多忙なナースのタイムスケジュールはどのようなものなのでしょうか?

勤務先によって勤務条件や実際の業務には細かな差がありますが、ここでは一般的なモデルケースを挙げてみたいと思います。

保育園ナースの一日の流れ モデルケース

8:15 ミーティング
保育士と共にミーティングを行い、連絡事項の確認、園児のケガや病気・体調不良情報の共有、病欠の有無など、注意事項の確認と周知を実施する

8:30 おむつ交換やバイタルチェック
0歳児クラスにおいて、バイタルチェックやおむつ交換を担当する

9:30 保育補助
園児の健康状態の確認を行いながら、おむつ交換や授乳などを行う。看護業務に余裕がある場合は、保育士と共に園児の遊び相手になったり、散歩の引率といった保育補助を行う

10:30 入浴、入室準備
園児たちを沐浴させ、全身の汗や汚れをきれいに落とす。この時肌の状態を確認し、皮膚病などの疾病がないか観察をする

11:30 園児の昼食
園児の昼食補助を実施する。看護師が昼食補助を行うのは主に0歳児くらすとなるため、離乳食の状態を確認しながら、配膳や食事介助を行う。この時薬の服用が必要な園児に対しては、担任に確認をとりながら与薬する

12:30 お昼寝
園児たちにお昼寝をさせる。看護師や保育士はこの時間帯に休憩と昼食を摂る

13:30 書類作成などのデスクワーク
連絡帳の記入やほけん便りの作成、書類作成などを行う。この時間帯に園内の衛生状態の点検や確認、救急箱の点検や医薬品の補充、保護者への連絡などを行う場合もある

15:00 おやつの時間
お昼寝終了後、0歳児クラスでおむつ交換とバイタルチェックを実施。その後おやつを食べさせるための食事介助や、授乳などを行う

15:30 保育補助や衛生指導
保育士の業務を補助しながら園児の健康状態を確認し、同時に衛生指導や疾病予防の立案・計画、書類作成などを行う

16:30 退勤・帰宅

このタイムテーブルを見るだけで、非常に多くの業務を1人でこなさねばならないことがお分かりいただけると思います。

しかし、日勤で土日に休みが取れる、子供たちの成長を見守れるなどのメリットが多い仕事でもあるため、看護師の職場としての人気は年々高まりを見せてもいます。

保育園によってカバーしなければならない業務範囲や、労働条件、待遇などが大きく異なるため、保育園ナースに興味がある方は、一度是非近隣の保育園などに見学を申し込み、現場の雰囲気や労働環境を確認してみることをオススメします。

<関連記事>:保育園看護師になるには?必要な資格やスキルはある?

保育園ナースとして働くには

保育園ナースとして働くために、小児科の勤務経験が必要だとお考えの方も多いようですが、実際には看護師免許以外の資格や経験が求められることはそう多くありません。

病棟看護師としての実績を求める保育園もありますが、最近では未経験の看護師をあえて求める保育園も増えてきています。むしろ実績や小児科での勤務経験などよりも

・子供が本当に好きかどうか
・判断力や行動力があるかどうか

という点が重視される傾向にあるので、保育園勤務に魅力を感じる方は気負うことなくチャレンジしてみると良いでしょう。

また、保育園看護師はパートや派遣勤務の求人が多く、1年単位の契約を結ぶ傾向にあります。そういったこともあり、保育園ナースの求人では4月スタートの案件が一番多いとされています。

そのため、春になって就職・転職先を探していては手遅れになる場合が多いので、9月以降に求人をチェックしはじめるのが良いとされています。

看護師向けの転職支援サイトや求人サイトを利用すれば、保育園看護師の求人情報を効率良く集めることができるはずですので、上手に活用したいところです。

まとめ

  • 保育園看護師は、園内においては健康管理責任者という役割を持つ
  • 保育園看護師は、看護業務だけでなく保育補助なども行う
  • 園内での仕事は多岐にわたり、複数の業務を平行して実施する必要がある・保育園看護師の求人を探すのは、9月以降がおすすめ(求人は4月入職のものが多い)

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