保育園ナースの悩み、保育士との関係
日勤の看護師求人で最近よく目にするものに「保育園ナース」の案件があります。
看護師の働き方が多様化し、さらに2008年からは厚生労働省から私立保育園に対して看護師配置を促すよう働きかけがなされたことから、保育園ナースの求人は増加傾向にあります。
現在、厚生労働省は全ての私立保育園へ看護師を促進させていますが、現実問題として、市立保育園の中には看護師を正社員として雇い入れる経済的な余裕がないところも多く、パートや派遣看護師という形での雇い入れが多いというのが実情です。
そのため、保育園ナースは労働面や環境面で悩みを抱えることが多いとされ、離職率も高めとなっています。
そこで今回は、特に保育士との関係に焦点をあてながら、保育園ナースの悩みについて考えて行きたいと思います。
目次
保育士との関係に悩む看護師の経験談
看護師の職場の悩みとして常に上位に入るのが「人間関係の悩み」です。保育園でも同様で、多くの保育園ナースが人間関係、特に保育士との繋がりや関係性に疑問や不安、悩みを抱いているとされています。
ここで、保育士との関係に深く悩む保育園ナースの声を、いくつかご紹介してみましょう。
経験談1 看護師の仕事内容を理解してもらえない
私の勤務先では看護師は私一人です。保育園では看護師一人体制は珍しくなく、むしろ当たり前のことですが、悩んでいるのは保育士さんに仕事内容を理解してもらえないことです。
私自身は保育園ナースとしての仕事を精一杯こなしているつもりなのですが、忙しく立ち回っていても「あの人なにしているの?」といった目で見られ、少し業務に余裕があってデスクワークなどを行っていると「机に座っている暇があったら、こっち(保育士)の仕事手伝ってくれればいいのに…」といった陰口を叩かれてしまいます。
保育士さん達には、看護師の仕事は園児のケガや病気の対応だけだと思われているらしく、保健衛生や感染症予防などなんてどうでもいいじゃないか、なんて対応をされて辛いです。
それに、保育士さん達には「看護師になめられたくない」という思いが強いらしく、私に対する当たりも結構強いです。多勢に無勢の状況ですし、どういう風に対処したら事態が改善するのか見当がつきません。
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経験談2 応募の際の説明と実際の仕事に大きな違いがあった
公立保育園の看護師として採用されたのですが、入職前の説明と実際の業務に大きな差があり戸惑っています。
当初の話では、保育園の子供全体を見て、急病やケガの対応、服薬指導、衛生管理などが主な仕事と聞いていたのですが、実際に働き出すと保育士の仕事も多数任されるようになりました。
人員配置も「保育士2~3人+ナース」と聞いていましたが、いつの間にかクラスの保育士の数にカウントされるようになり、現在は「保育士1人+ナース」という体制になっています。
保育士さんの数が足りず、皆さん多忙で大変だということはみていて良く分かるので、看護師の仕事以外の業務や雑用も買って出ますし、そのこと自体に不満などはありません。
ですが、保育士さんたちに「片付けはいいからさっさと○○をしなさいよ!状況見て臨機応変に動けないなんて信じられない」なんて強い言葉を投げかけられることも多くなり、どうしてこんな扱いをされなければならないのかと、納得できない部分もあります。
事前の説明で労働環境について正しい説明があれば断ることもできたのにと、最近はイライラがつのり、転職を真剣に考えるようになりました。
経験談3 保育士とのコミュニケーションが築けない
私が勤める保育園は、保健師同士の繋がりが強い一方、看護師は「よそ者」として扱われ、会話もほとんど成立しない状態にあります。
自分だけミーティングから外されて業務に支障がでるなんてことはしょっちゅうですし、園児の体調について意見を述べても無視される、保健衛生や感染症予防の計画を立ててもろくに見てもらえないなど、精神的にじわじわとダメージが溜まる対応ばかりされてしまいます。
私自身が疎外感を感じる程度であれば良いのですが、業務に支障がでるレベルでのけ者にされてしまうので、園児への対応などの面で影響が出てしまうのではないかと不安です。
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保育園ナースの悩みを打破する方法とは?
保育園ナースの悩みの多くには、根本に「疎外感を感じる」というものが存在します。保育園には複数の保育士が勤務していますが、ほとんどの場合看護師は一人きりです。
そのため、コミュニケーションが取りにくい上に業務上の理解も得られにくく、孤独感や疎外感、不安や不満などが心に積もりやすく、ストレスが溜まりやすいという傾向にあります。
さらに、多くの場合ナースでありながら保育補助の仕事まで受け持たなければならないため、看護業務に集中できないといったフラストレーションを抱きがちでもあります。
こういった悩みや不安を打破する方法には、以下のようなものがあります。
1.自分の仕事を理解してもらう努力をする
保育士の方の中には、看護師の業務や意見を受け入れられないという方もいらっしゃいます。
そういった方に対しては、まず保育園のおける看護師の立ち位置や業務がどういったものであるのか、正しいデータを提示し、現在園内で行われている処置や対応が、いかに旧態依然のものか理解してもらうことが重要です。
しかしながら、そういった対応や努力をしてもなお「生意気な看護師だ」「偉そうなことばかり言っている」と反発する方、意見を受け入れない方も少なからず存在します。
その場合は、日々真面目に仕事や業務をこなし、自分かいかに仕事に対して真摯に取り組んでいるのか見せ続けることが重要となります。
ここで「これだけやっていれば理解してもらえるだろう」といった意識を持ってしまうと、受け入れられなかった場合に大きなダメージを受けてしまう可能性がありますので「いつかは分かってくれる日が来ると良いな」といったスタンスで、相手に期待せず、思い詰めないことが大切です。
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2.転職を検討する
人間関係は個人の努力だけでは問題が改善できないことが多いため、どんなに頑張っても保育士に受け入れられない、看護師の立ち位置や業務を理解してもらえないというケースは多分にあります。
この場合は、思い切って転職を検討するのが賢明でしょう。実は、保育園ナースの転職率はとても高く、勤務先によっては半年~1年程度で看護師が入れ替わるなんて話も珍しくありません。
人間関係だけでなく、看護師業務、特に保険業務に対する無理解から仕事にやりがいが感じられず辞めてしまうという方が多くみられることから、保育園ナースはモチベーションの維持が難しいことがうかがえます。
とはいえ、保育園の中には看護師の仕事に対して理解があり、保育士側が看護師を区別・差別しないという所も確かに存在します。こういった優良保育園の求人を探し出し転職することができれば、問題を根本から解決することができるはずです。
優良な求人案件を探す方法としては、看護師向けの転職支援サイトを利用するのが効果的です。
条件を入力して検索するのも良いですが、無料のキャリアアドバイザーやコンサルタントへ相談すると、希望にあった勤務先・求人案件の情報を提供してもらえるため、転職活動をスムーズに進めることができます。
まとめ
- 保育園ナースの多くが保育士との関係やコミュニケーションに悩んでいる・保育士との人間関係に悩んだ場合は、自分の立ち位置や業務について説明を行い、理解をしてもらえる努力をする
- 理解を求めても受け入れられない場合は、転職を検討するのも一つの手段・優良な転職先を探すには、看護師専門の転職支援サイトの活用が効果的